女性誌等で活躍するファッションエディター小林文さん執筆。qualite（カリテ）のメインアイテムであるパンツに焦点を当て、小林さんの目線で語っていただくPANTS MAGAZINE。
彼女が紡ぐ言葉には洋服を選ぶことの楽しさや、買い物をすることの喜びが溢れています。
2月――。毎年この時期になるとよく思い出します、会社員だったあの頃を。PROFILEにも書いている通り（下へスクロールするとあります）、フリーランスのエディターになる前、某人材系企業に営業職として5年半ほど勤めていました。
当時の2月はもうバタバタで。まず、バレンタイン。外回りの合間に、百貨店の催事場へ行き、上司や先輩・同僚、クライアントへ渡すチョコレートを買いに走ったものです。お金も手間もかかったな〜（笑）。バレンタインが過ぎて月の後半になると、次は4月1日付けの異動の内示が出るとか出ないとかの話で、社内はザワザワ…。なんだかクタクタになりながら、2月が終わっていた気がします。
今の私はどちらのイベントもあまり関係がない環境で、ある意味、季節感のない1ヶ月を過ごしていますが（汗）、当時の私に教えてあげたいのが今回のパンツ。着ていてラクだけれどキレがあり、自分の軸を保ってくれるような素材感とシルエットだから。
2月を頑張った自分に、春に向けて頑張ろうとしている自分に、まずは「お疲れ様！」と労うパンツを選びませんか？
春に向けて、ウールから脱したくなりますが、寒々しいのは避けたいですよね。このパンツはポリエステル100%でさらりとした風合いですが、二重織りの生地を使っているので、薄手すぎず、少しだけ膨らみのある感じ。「てろてろ」よりも「とろん」くらいのイメージです。
シルエットはワイドよりも細身なストレートで、タックとセンタープレスが入っていることで、横に広がって見えない効果も。ワイドパンツに苦手意識のある小柄な方にもオススメ。
カラーバリエーションは、軽やかな春の「ブラック」、淡色トップスと相性のいい「ベージュ」、甘さ控えめなピンクみのある「パープル」です。
太めパンツに対して、トップスはコンパクトにしたくなるところを、ロングシャツをアウトして今季らしいコーディネートに。新しさのあるバランスが難しく見えないのは、パンツのシルエットが太すぎず、とろみのある素材だから。また、ストライプの色とパンツの色を揃えると、全身がスッキリ！ 足元も、ヒールよりフラットシューズで、力みのない雰囲気にまとめるのが大人の春の迎え方です！
「ストライプシャツとのコーディネート、ワントーンな色味が大人っぽく、春先を軽やかに過ごせそうで新鮮でした。一方、体に程よく沿う白カーデとの合わせは、女性らしくもかっこいいイメージ！ ワイドすぎずストンと落ちるので、きれいめだけでなくカジュアルにも着られることをショップでお伝えしたいと思います」（大丸東京店・カワモト）
VOL.9では、春から夏に向けて活躍するパンツをご紹介。リネンを含んだドライな素材、きれいめなワードローブに取り入れやすい、さわやかなカラーバリエーションは必見です！
小林 文（Aya Kobayashi）：1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして、小学館Oggiや講談社mi-mollet等で活動。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当している。大の「買い物」好きで、Instagram＠kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。
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