WEB MAGAZINE

2023.01.25

Yen Ware

世界中が経験したパンデミックから、より日常を心地良く日々豊かな気持ちになれるモノ、コトをご提案できたらと昨年にフラッグシップストアとなる代官山店をリニューアルしました。
そして、その記念するイベントとして企画したのがYen Wareのポップアップでした。
Yen Wareはcollexの前身、丁度20年前のcollex LIVINGの時からのお付き合いです。
グラフィックデザイナー、中村善郎さんによるデザイン、マニュファクチャーは小代瑞穂窯の2代目 福田るいさんです。

和洋どちらの食事にも合い、温かみのある存在感と軽やかでやさしい彩り。素朴な土の部分と釉薬のつるりとしたテクスチャー。
相反するバランスの共存が魅力で、使い手の私は年月と共に愛着が増していく一方です。
そして、25年前にはじまったYen Wareは不変で今 手にしても新しく楽しい。
 

 

また、この度、ホームページのリニューアルに伴いリスタートしたコラムに向け、Yen Wareのデザイナー中村さん、マニュファクチャーの福田るいさん、
そして御二方と縁深い菓子研究家の福田里香さんに本コラムを読んでくださっている皆さまへメッセージをいただきました。ぜひ、お楽しみください。

 

デザイン 中村善郎さん

「Yen ware は、最初に発表してから 25 年が経ちます。ちょうどイタリアンが流行ったり、スター バックスが上陸してカフェブームに湧いたりした頃です。そこから、食をめぐる美の流行もひ と周りをしました。昨日の珍奇も今日の当たり前です。今回、collex で再びお目にふれること になりありがたく思っています。Yen ware で目指しているのは 2つの方向性の共存です。丸と直線、バランスの悪さと安定性、和のシンプルさと洋の装飾性。相反するものがひとつの椀 の中にあるといいなと思っています。ぜひ、左手に Yen ware の椀にご飯をよそい、和や洋の おかずを食べ、食後にはアイスクリームを盛り、朝にはコーヒーを注いでみてください。」

Yen Ware マニュファクチャー 福田るい

「25年程前 エンウエアーのデザイン画を渡されて先づ思った事は「御法度」。
所謂  "民窯” では、例えば、皿の中心に窪みがある事は好ましくないと考えられており、それまでの修業で培ってきた技術の修正に苦労した思い出がある。
作り手として気掛けている事は、デザイン性を活かすための適度な重さ(軽さだけを求めてはいない)を付ける事に尽きるかも。
四半世紀に渡り取り扱って頂けるのは、光栄な事であり、御法度にも一利あるな  と思えている。
なので どうか 自由な発想でお使い続けて頂きたい。」

 

菓子研究家 福田里香 Yen Wareとかき氷
「Yen Wareは中村善郎のデザインで、福田るいが作陶を担当しています。2人のコラボレーションのきっか けは、赤坂にあったブック&カフェ 「HUCKLEBERRY」店長の馬詰佳香さん。彼女が何か うちでやらない?と誘ってくれたことから始まりまし た。90年代のことです。馬詰さんは現在、鎌倉で 「LONG TRACK FOODS」というパントリーを営んで いて、私はそこで2011年から毎年夏に(今年はコロナ で中止ですが)かき氷イベントを開催しています 。かき氷の器も毎年Yen Ware。陶器に氷ってなかなかいいなと気づかせてくれたのは、Yen Wareでした。」
 

     

デザイン 中村善郎
グラフィックデザイナー 1955年 福岡市生まれ。ロゴ、パンフレット、パッケージなどを中心にデザインを手がける。フードやアートに関するブックデザイン多数。1996よりYen Wareの器のデザインを手がける。

 

Yen Ware マニュファクチャー 作家  福田るい
父の福田豊水さんが興した小代瑞穂窯の2代目。 伝統の小代焼を再興しようとし、また自身で民藝店を営んでいた 豊水さんのもとで育ち、大学卒業後は益子で、人間国宝となった 島岡達三氏に師事。帰郷後は東京を始め、海外はドイツなどでも 精力的に器を発表している。

Yen Wareの器はこちらから>>>