ファッションエディター小林文さんがqualiteのパンツを語る連載コラム - qualite

このパンツが個人的に今の気分にピタッとハマる理由。

それは、東南アジアの国を近くに感じさせてくれるから。

一昨年、初めて行ったベトナム・ホーチミン。都会的で、活気があって、みんな働き者で・・・。ビビッドカラーよりちょっとトーンを下げた、イエローやピンク、ブルーがよく似合う街。今年再訪したいな・・・と思っていた街でした。

このパンツのカラー展開は、イエローとホワイト。
イエローはビビッドでもパステルでもなく、乾燥させたスパイスのような“辛い”イエロー。ホワイトはココナッツミルクような“マイルド”な白。

どちらも人工的でなく自然界にあるような色。派手すぎず、落ち着きすぎず、なカラーバリエーションは、在宅ワークが続いていた私たちの体と気持ちをほぐしてくれる、絶妙なトーンです。

ホーチミンの建物やグルメを思い出すな〜なんて、何気なく表記を見ると・・・このパンツ、なんと「ベトナム製」!

途端に気持ちが上がりました!

素材は、薄手でサラサラ、風の通りがよくしなやかで、シルクのよう。ランダムなピッチ、太さの異なるストライプの織りが入っているのも夏らしく気持ちいい。

そして、ワイドパンツとスカートをドッキングさせたようなこのデザイン。
正面はタイトな巻きスカート、後ろ姿はワイドパンツ。シンプルなトップスにさらっと合わせるだけで、驚くほどコーディネートが垢抜けます。

巻きスカート風のウエスト部分は、内側でボタンを2段階留めるようになっていて、最後はリボンテープでキュッと締める。ウエストについているベルトって、蝶々結びにすると“少女”っぽくなりがちですが、これはタラッと長めに垂らすだけ。大人です。

自由に旅立つ日はまだ先かもしれないけれど、いつかまた絶対にあの地を踏めるように。

つい目の前のことで精一杯になりがちだけれど、
世界に想い馳せながら過ごす大切さを気づかせてくれる、そんなパンツです。

edit&styling by
AYA KOBAYASHI

※パンツ以外はすべて小林さんの私物です。

AYA KOBAYASHI
小林 文(Aya Kobayashi)

PROFILE

小林 文(Aya Kobayashi):1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして、小学館Oggiや講談社mi-mollet等で活動。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当している。大の「買い物」好きで、Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。

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